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読んだ本の感想覚書。ツッコミ・補足・トラバ等歓迎です。
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私は君に殺されることにしたよ
しかも殺人犯にはしない──。
死を告知された男が選んだ自らの最期。
周到な計画は、一人の女性の出現によって齟齬をきたしはじめた──

「扉は閉ざされたまま」の続編。というか探偵・碓氷優佳シリーズ第二弾。
「扉は─」は読んだけどまったく覚えていないのですが、とりあえず面白かったようです
それにしてもこのシリーズ、実在の人のイラストっぽい表紙なんですが、実写化を前提とした小説なんですかね?どっちでもいいんだけど、あんまり実在の人物の表紙って好きじゃないので。

それにしてもプロローグからすっかり引き込まれました。題材にもなっている「君の望む死に方」、ぐさっときました!倒叙ものにありがちな、主人公への感情移入しまくり。すっかり犯人と被害者を応援しまくり。探偵邪魔すんな的な。それにしても、探偵小説である意味仕方のないジレンマ「探偵はすべて殺人が終わってから犯人を指摘する」をスルーした今回のやり口はとても面白い!

プロローグ前の文章から、誰かが亡くなったのは明らか。
被害者の問題なく殺されんとする用意周到さ、犯人の慎重さ、お互いがお互いの思惑を気づかれないようにするのにほんと探偵が邪魔でー。邪魔すんなよ!いいとこなんだから!しかし普通、探偵が殺人を防ごうとする場合、「被害者の迂闊さを修正する」か「犯人の行動を制限する」かどちらかになってしまうだろうけど、今回両方味わえるというのはほんとオトクですな。

で、結局死んだのは誰か?死因は?
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【2010.04.13】 ミステリ
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あれから三年―。
白石誓は、たった一人の日本人選手として、ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。だが、すぐさま彼は、チームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。
待ってました!の「サクリファイス」続編。
このまま是非にもシリーズ化してほしいんだけど。年1刊行・・・・・・は書くにも取材するにも厳しいだろうな。
心底アシスターのチカの視点から紡ぎ出される自転車レースの世界をもっと見たい。

前作「サクリファイス」では何故?というミステリ部分にも重点をおいたものだったけれど、今作「エデン」ではミステリ風味は影を潜め、プロスポーツとしての面白さ・裏側を全面に出してきました。
純粋な競技として、スポンサーがいること、個人競技のようでいてチームスポーツであること、国籍、嫉妬、アスリートとして、さまざまな面が混ざり合って見えてくるところがほんと、面白い。スポーツもの大好き。
選手の内面や現在の状況の実況を含めた中継を見ているような贅沢な感じ、もしくはチカの背後霊か何かになって身近で応援しているようなスリル感。

チカの一人称で語られる文章で、「サクリファイス」の彼の名前ははっきりと記されない。まだ名前を呼べるほど思い出として処理されていない。呪いのように、責任のようにチカの中に息づく彼の存在が美しく残酷だ。

あとどうでもいいことだけど、ニコラがライオンを渡した時、中に薬物使用の証拠かくしてんじゃないの?と邪推したのは私だけじゃないはず!税関で「これはニコラにもらったの!」彼女の叫びをもとに事情聴衆されたニコラが「僕は知らない」としらをきるところまで妄想したのに!

それにしても、自転車レースを見てみたいんだけどなかなかテレビじゃやってないね。特にうちはBSもCSも加入してないし・・・。
【2010.04.13】 そのほか
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一言感想。
■冲方丁「マルドゥック・スクランブル1・0・4」既読。マルドゥック以前。ヴェロシティ読了以降、ボイルドとウフコックの話としてしか受け取れなくなってしまったので、この二人?の活躍は嬉しい限り。ホテル買収のあれこれがおおざっぱで勢いで楽しい!マルドゥックシリーズを読んでない人はぜひ マルドゥック・スクランブル→マルドゥック・ヴェロシティ→これ の順番でひとつ。ヴェロシティとこれは逆でもいいかも?
■新城カズマ「アンジー・クレイマーにさよならを」既読。美しい飛翔イメージ。注釈、いる?
■桜沢洋「エキストラ・ラウンド」前作を読んだときも思ったけど、SFかなあ。とりあえずバーチャルのハシモトさんは結構好きでござる。
■元長柾木「デイドリーム、鳥のように」既読。最後まで読んで「許す」がちょっと怖くなった。
■西島大介「Atmosphere」西島さんってどうもあわない。
■海猫沢めろん「アリスの心臓」????表紙と最後の装丁?は好き。
■長谷敏司「地には豊穣」既読。技術と文化と感情と。身体感覚と机上の空論と。
■秋山瑞人「おれはミサイル」やっと読めたー!一番好き。なつかしい未来のにおいがする。映像がうかんできますね。かっこいいってこういうこと。

あれー?古橋さんはー?
ゼロ年代SF傑作選っていうか、SFマガジン「ぼくたちのリアル・フィクション」特集じゃーん。半数読んでるし持ってるし。あと解説(藤田直哉)がすごいハイテンション。こういうSF系アンソロジーっていつも大森さんだからなんか新鮮って言うかちょっとうさんくさいww
【2010.04.08】 SF
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  • あひる
  • 国産SFとラノベとミステリ
    マンガはたいていコミクス派

    ◇◇個人的ツボ◇◇
    ・時間ループ
    ・頭のいい少年が悪巧み
    ・イっちゃってる
    ・陰陽・妖怪とかそういうやつ
    ・学園(寮だとなおさら)
    ・誘拐
    ・メガネ

    kawano55(アットマーク)hotmail.com

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