あれから三年―。 白石誓は、たった一人の日本人選手として、ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。だが、すぐさま彼は、チームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。 |
待ってました!の「サクリファイス」続編。
このまま是非にもシリーズ化してほしいんだけど。年1刊行・・・・・・は書くにも取材するにも厳しいだろうな。
心底アシスターのチカの視点から紡ぎ出される自転車レースの世界をもっと見たい。
前作「サクリファイス」では何故?というミステリ部分にも重点をおいたものだったけれど、今作「エデン」ではミステリ風味は影を潜め、プロスポーツとしての面白さ・裏側を全面に出してきました。
純粋な競技として、スポンサーがいること、個人競技のようでいてチームスポーツであること、国籍、嫉妬、アスリートとして、さまざまな面が混ざり合って見えてくるところがほんと、面白い。スポーツもの大好き。
選手の内面や現在の状況の実況を含めた中継を見ているような贅沢な感じ、もしくはチカの背後霊か何かになって身近で応援しているようなスリル感。
チカの一人称で語られる文章で、「サクリファイス」の彼の名前ははっきりと記されない。まだ名前を呼べるほど思い出として処理されていない。呪いのように、責任のようにチカの中に息づく彼の存在が美しく残酷だ。
あとどうでもいいことだけど、ニコラがライオンを渡した時、
中に薬物使用の証拠かくしてんじゃないの?と邪推したのは私だけじゃないはず!
税関で「これはニコラにもらったの!」彼女の叫びをもとに事情聴衆されたニコラが「僕は知らない」としらをきるところまで妄想したのに!
それにしても、自転車レースを見てみたいんだけどなかなかテレビじゃやってないね。特にうちはBSもCSも加入してないし・・・。
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